大韓航空がKCGSからESGのグレードAを取得

Summary

大韓航空は、非営利のESG格付け機関である韓国コーポレートガバナンスサービス(KCGS)から、ESGへの取り組みに対して「統合Aグレード」を取得。

スコアが上がった理由① ガバナンスへの取り組み

l  CEOと取締役会の分離

l  女性の社外取締役の選任

l  社外取締役のみで構成されるESG委員会の設置

スコアが上がった理由② 環境的取り組み

l  大手石油精製会社の「現代オイルバンク」と提携し、持続可能な航空燃料(SAF)を採用(穀物、植物、藻類、動物性脂肪で構成されるSAFは、フライトの二酸化炭素排出量を最大80%削減可能)

l  ボーイング787-10を早ければ2022年に導入する計画など、環境的および社会的に責任のある投資資金を調達するためのESG債の発行

(ボーイング787-10機は、座席あたりの燃料効率が25%高く、同様の航空機よりも炭素排出量が25%少ない)

スコアが上がった理由③ 社会的取り組み

l  COVID-19ワクチンや医薬品の輸送を含む人道的輸送にを積極的に貢献

Consideration

MSCI社のESG によると、

KOREAN AIR LINES CO.,LTD(003490)…BB

このままだと3.06℃の気温上昇に貢献する可能性があると決して高いとは言えない評価でした。

一方、日本のフラッグシップキャリア2社の同社ESG評価がどうなっているかというと、

ANA HOLDINGS INC.(9202)…A


・懸念される気温上昇…2.55℃

・脱炭素目標…無し

・会社に目標値がないか、目標値の説明から重要な情報が欠落しています。

Japan Airlines Co., Ltd.(9201)…BB

・懸念される気温上昇…2.04℃

・脱炭素目標…あり

・対象年… 2050年

・達成率…57.05%

・目標値達成のための年間削減度-1.34%

※2021年11月30日現在。

と大きく評価が分かれました。

興味深いのは、現時点でのESGランクはANAの方が良いにも関わらず、ANAの方が脱炭素目標が示されていなかったり、懸念される気温上昇度が高いということです。

個人的には、今後は明確な指標を持っているJALがANAの一歩先を行くかと評価してます。