スペイン政府観光局の持続可能な観光への取り組みを紹介する新しいオンラインハブ

スペイン政府観光局が、同国の持続可能な観光への取り組みを紹介する新しいオンライン ハブを立ち上げました。https://socialnewsroom.spain.info/sustainability-updates/

2022年8月14日の記事では、【バレアレス諸島の持続可能な観光】というテーマで、同諸島政府によって 2016 年に導入された『持続可能な観光税(The sustainable tourism tax)』について取り上げられています。
バレアレス諸島は、マジョルカ、メノルカ、イビサ、フォルメンテラの4島が含まれます。

この『持続可能な観光税』は、観光の影響を相殺することを目的としており、総予算は 52,207,177 ユーロに上るとのこと。その資金は諸島の様々なプロジェクトに提供され、予算や用途が全て専用サイト「Sustainable Balearic Islands」で公開されていて、透明性が担保されています。

プロジェクトは検索できるようになっており、島/町/主体/目的/報告年/ステータス(段階)/入札者 等で条件検索できるようになっています。

例えば、【イビサ島】での【環境】目的のもので検索すると、

『PORTINATX での新しい下水処理場の建設』
古い下水処理システムが近隣住民や観光客に悪影響を及ぼしているため、新しい下水処理場を建設する。このプロジェクトは生態系の保護と回復や大気の質の改善を伴う。

という概要のプロジェクトにヒットし、開始年や予算および実費の進捗状況が現在進行形で報告されています。

さて、観光客の視点で気になるのが、『持続可能な観光税』が一体いくら位かという点ですが、こちらもサイトに記載があります。

出所:http://illessostenibles.travel/en/sustainable-tourism-tax/tax-amount-and-exemptions

ホテルであれば星の数、宿泊施設の形態によっても細かく分類され、A~Mまでの13種類のカテゴリでの税金が決まっています。併せて、5月~10月までがハイシーズン、11月~4月までがローシーズンの料金設定がされており、ローシーズンとハイシーズンとでは4倍の開きがあります。

今回の持続可能な観光税に限った話ではないですが、税金を徴収するからには、用途の透明性を持たせるべきです。
今回取り上げたバレアレス諸島のThe sustainable tourism taxは非常に良くできた制度で、これであれば観光客も納得感を持って、喜んでサステナブルツーリズム税を支払うことができるでしょう。